2009年10月30日

メンドウ…な話ですか…

「ごちゃごちゃと、けっこう面倒な話になるじゃないですか。」
「相談事ってことで話し始めちゃうと…どうしてもそうなりますよね…」
「頭が疲れてるので…それってダメなんです。」
「何話そうかなんて…大分(だいぶ)迷(まよ)ったりしました?」
「話するのって難しい…ですよね…」
「何かマジシャンで大きな耳を出す人ってテレビで見たことないかしら…」
「お笑いマジックショーのタレントのこと…」
「同じパターンでは、あきられてしまいますよね。でも、カウンセラーの耳というのは、どんな話でも受け入れる耳を持っているから、いつの間にかちゃんとクライエントの気持を受け止める訓練が出来ているものなのですよ。そうそう、マギー審司っていいましたね。やっと思い出した。」(笑)
「何からお話ししたらいいのか…」
「このカウンセリングルーム、一時間五千円という標準料金を設定をしているけど、それで実際には、二時間ということになるのも珍しくない。そのうちのほとんどをクライエントが話しているというのが上手なカウンセリングといわれていますがね。」
「でも、簡単には話せないことを話そうとするのは難しいですよね。」
「初めから、こういう内容を相談しようと思って来ましたというのは、あなたが本当に話したいことではないというのがほとんどなんですがね。だから、カウンセラーにとっては、そんな話の内容を準備出来るようなご相談事なんていうのは、どうでもいいのです。だから、そのことはとりあえず脇に置いておいて、何か思いに浮かんだことをお話しになってみませんか…」
「カウンセリングってなんなのか…」
「それは、カウンセラーの先生に対する質問ですか、そのことについて知りたいから教えて下さいってこと?クライエントの皆さん、よく誤解なさってるみたいなんだ。」
「どういうことでしょう?」
「カウンセラーが聞かせてほしい、教えてほしいと思っていることというのはね…カウンセラーは皆さんクライエントから聞かせていただきたいと思っているのです。だから大きな耳を持っているといったんだけど…」
「でも、カウンセラーのこと、先生って呼ぶ人が多いんじゃないですか。相談してアドバイスしてくれるのでしょう。」
「問題解決型なんていうヘンなカウンセリングが相談料をもらっている。これってみんな似非(えせ)カウンセリングです。」
「ニセモノ?」
「本物のカウンセリングは、せいぜいクライエントの気持に寄り添って一緒に悩むというのが本物のカウンセラーなんですが…」
「それはとてもしんどい仕事じゃないですか!」
「分って頂けたのかしら…それがカウンセリングなんですがね。だから、もう、しんどくて、まいってしまうんですよ。」
「……」
「生涯現役で頑張ろうと思って始めたんだけれど、そろそろ限界を感じてバーンアウト寸前です。ああしんど!」

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2009年10月16日

真面目に生きたいんです。

「真面目に生きられない…私の悩みをいえば、自分的には本来的に真面目に生きたいんです。」
「あなたは真面目に生きたいと思っておられる…多分、それって、とても難しいこと…で、今、気持的には…」
「…苦しい気分…何かもっと楽に生きれないか…そんな気持です。…それに、何より、自分の今の気持に納得(なっとく)していない。みんなみたいに楽に生きれば良いんだろうけど…とりあえず、そんなところです。」
「いまのところ、暗い気分…でも、明るい気分の時だってあるともおっしゃてた…だったら、暗い気分の方は、今日、この部屋へ置いて帰ったら…」
「服を変えるみたいに?重たい服を脱いで、軽いのに着替える…今の気分のこと、情緒不安定っていうんですよね。」
「持って生まれた性格でどうにもならないと思っておいでみたいですよ。そうではないのにね。」
「そうなんですか。」
「臨床心理では気分障碍の症状っていうふうに分類するんだけど…まるで病気の症状みたいにいうけどね。うつ病みたいに診断してお薬を出すようになっていますがね…そんなことはどうでもいいってお顔をしてますね。」
「お薬で人が変ったみたいになるようなことがあるんだとしたら怖いじゃないですか。」
「激しい興奮状態が精神のお薬で治まるというようなことを思っておいでなのかな。」
「精神安定剤のこと?鎮静剤の注射や点滴?」
「痛み止め、鎮痛剤を飲むようなもの?頓服ともいうけど…どれも対症療法ですよね。」
「ただ精神のお薬に安易に手を出すのは、習慣性や依存性のことを考えたら、やはり危ないのは間違いありません。」
「苦しいことを経験してとても大切なことを学んだと思っています。」
「よく分かります。最初に、今の悩みのことを真面目に生きたいというふうにおっしゃった。そのことが強く私の心に響きました。」
「真剣に自分の信実(真実)を見つめるのに耐えられない。だから笑ってごまかしていたんですよね。」
「笑は狂気だということばがあるけど…真剣に生きようということは恐ろしいことなんですよね。正面から自己に向合って生きるのは…誰も、なかなか真剣に自分を見つめたり出来ません。誤摩化して生きている。自分をごまかして生きているのだから…そんな自分が嫌いなんだ。じぶんにウソをついて生きるのは嫌いなんだ。ホントの生き方がしたい。ホントに生きているんじゃない。そんなのイヤなんだよね。自己本来の面目に立つ。というのは禅の言葉だったかな。“ホントの事を言ったら、おりこうになれない、ホントの事を言ったらあまりにも哀しい”というフランシーヌのばあいって詩が浮かんできませんか。
  最後にとても良い本を紹介して終わりましょう。姜尚中(かんさんじゅん)の『悩む力』という集英社新書です。著者は臆することなく『まじめ』たれと語りかけます。発売と同時に70万部売れたって!」
「今は百万部を突破して、ベストセラーじゃないですか!」

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2009年09月18日

最近どんな相談が多いんですか?

最近どんな相談が多いんですか?
「愚痴(グチ)を聞いてあげて頂けますか?といって70代の男性を連れていらっしゃった方がおられました。そのかたは、舅(しゅうと)さんの認知症を心配なさっておられてね。」
「心理カウンセラーって、臨床心理士のことですよね?」
「臨床心理士の資格問題については、何度かここで話したことがありますが、日本の場合は、アメリカのクリニカル・サイコロジス(臨床心理士)のようには、専門職の資格として確立されるまでには成熟していません。残念なことに、特に専門知識を学ぶための教育システムが確立されないまま、名ばかりの臨床心理士という専門職の資格を持った人が作られましたね。」
「知識だけでは全くお話にならない。」
「具体的な臨床体験を研修する場がないのですよ。」
「このまえ、ちょっと調べてみたら、最低でも大学院の修士課程か博士課程前期を修めれば受験資格はあるって出てましたけど…それに、だからって、実際の臨床現場で仕事が出来るかというと簡単なことではないみたいなことも書いてありました。それで、挫折する前にワタシ的には諦(あきら)めチャイました。」
「せっかく大きな目標を見つけたのだから、諦めるのはまだ早いと思うけど…やっと医療制度を根本から見直そうといい出してるんだしね。特に、日本の精神医療は、あなたのような人を必要としているように思うけど…それこそあなたの働く場はいくらでもあるはずなんだけど…今からですよ。」
「弁護士や税理士なんかと違って、心理カウンセラーを名乗って個人開業している人は極めて少ないんじゃないですか。厳しい就職状況のせいかして、資格を取って専門職を目指す人ってけっこういるみたいだけれど…実態はそんなに甘くはないってこと…どれもそれで自活して行くのはとても難しいものなんですよね。」
「今の人は皆さん情報だけは、いやってほど、持ってるから、あっさり夢だ希望だといった事はバカみたいに思えちゃうのかな。学校カウンセリングなんか、結構お呼びがかかってるじゃないですか。何でもいいじゃない、手近なところで少し関係ありそうな仕事に就いて、それをとっかかりにして、一歩一歩歩いて行くしかないんだよ。それが大人の生き方だし、社会を生きるってことじゃないのカナ?」
「何か大きな事件が起るとか、そんなとき急遽カウンセラーを派遣するといった記事が報道されるみたいだけど…」
「保健室の教諭や、養護の先生に講習を受けてもらったり、それが無理だったら夏休みなんかに一般の教員を対象にカウンセリング講座を開くなんてことは結構行われています。といっても、せいぜい延べ10時間程度受講して終わりてってとこでしょうね。まったく勉強しないよりはまし程度のことでも身に着けてもらえればってとこなんカナ。」
「先生の場合、延べ600時間、専門機関で学んだとか、おっしゃいませんでした?」
「そこは幅広い著名な講師の先生を揃えたカリキュラムを編成していました。 今日まで、40年以上続いている一応カウンセラー養成機関ってことだったけど…ただ静かに愚痴を聞いてもらえたらいいってクライアントさんもいらっしゃるけど…それだけのスキルではプロとして開業するわけにはいかないでしょうね。」
「何か問題を抱えていて、その解決を求めてくるクライエントというのとは違うってことでしょうか?」
「まあ、何か具体的な仕事に就いてから、また相談に来てみて。」

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2009年09月09日

オモロイコト一杯

「人生、楽しい経験やら、オモロイコト一杯したもんが勝ちや! そう、ちゃうの ?? 」
「そんな考え持ってる人が多いのかカイナ…」
「そうなんやで。…難しいこというたら、それが消費社会いうもんちゃうか?」
「そんな世の中に、ええかげん飽きてモウタさかい、今度は、いっぺん民主党いうヤツに入れたろかいうことで…」
「今度の選挙は、そういうことで珍しく投票いったいうことか。」
「毎年、八月は、NHKを使(つこ)て、年に一回、戦争やら平和のコト考えさすようになっとるみたいやけど…それかて、どこまで本気なんかいな。みなさん、真面目に思とるのんか…」
「テレビみとったら、結構、若い人の方がちゃんとした答え方しよるんちゃうの。」
「ちょうど高校野球と重なってナ…そっちはおもろいからな…」
「みんな人生観いうかは、初めにいうたみたいに、オモロカッタラええ、みたいな考えやけど…」
「何かおもろそうやな、イウンデ、皆のあとついて動いとるいうだけちゃうの? これからは欧米並みに年中高速が、いつでもタダいうことになったもんやから、車で、あれこれ見に行こか思とるヤツが多なったいうだけやケドナ。これでは、やっぱりあかんか。」
「それだけやったら、タダの野次馬根性やろ。」
「それでも、マジに、結構感動するいうのは、みんなスキそうみたいやで。」
「思わず、お国なまりが自然ト出で来るのは甲子園の応援スタンドやな。外野で陽に焼けるのもワルないで。」
「ええ悪いなんか考えんと、ノリがエエみたいなことで、それでエエんやで。」
「難しいこというたらカルチャーショックやね。高校までは田舎におって、大学で東京出て、それからズットNHK言葉しゃべって来たいうヤツが結構多い。このクソ暑いのにスーツ着て外回りやっとるヤツら、生まれ育った土地の言葉を話すいうことはまずないヨッテにな、」
「話は飛ぶけど、日本の政治の歴史的転換期やいうてるヤツもおるみたいやけど、そのわりには投票率は、いうほど盛り上がらんかったみたいやったな。」
「まあ、あんなモンちゃうか。」
「ところで、オマエ、仕事は、ドウヤ。毎日、おもろいか?」
「あほ、おもろいわけないやろ。仕事は仕事やいうだけでええんちゃうか。」
「仕事は、ないよりはマシやイウ…それだけのことや。別に、特別に考えへんかったら、これでエエンちゃうの…そっちの方には、なんも期待してへんヨッテニ…まあ、ウツにならんように、そこそこ、ヤレトッタラええのんちゃうの…」
「まあ、こんなんでエエいうコッチャなあ。
「ホンマやで。ナンモ、ヤク(薬)みたいナンニ手出して、無理矢理元気出さんかて、別にオモロイコトあるんちやうの…」
「まともな友達みつけや! いうたらなあかんノンチャウノ?」
「今日の対話はカウンセラーの出番は、なかったな。まあ、チョッと、いうとくと、少しは後生大事に生きナね。これでは、とても浮かばれへんのとちがう?」
「死んだら終わりいうわけに単純に行かへんのが人生やいうコッチャな。」
「死んだからいうて、なかなか簡単に片付いてくれへん。」
「一巻の終わりやないのんか…因果応報、輪廻転生尽きることなしってことか。」
「いわれたら、営業で、こんな生の言葉しゃべるいうことないからな。…こういう話やったら、あんたのカウンセリングにも大いに関係あるんちゃうの。」 
「どんな話や?」 
「異文化接触とか異文化適応とかいうてるけどな…アイデンティティの崩壊、アパシー・シンドロームいうんかな。」
「ところで、盆過ぎたイウテも、あんたみたいに、あっちの世界のことは好きずきやいうのではあかんみたいヤデ。命がハッキリしとるうちに腹(はら)括(くく)っとかナあかん思うで。」
「去年の夏は東南アジアで、今年の冬はアメリカやいうて、商売でアッチの世界コッチの世界、動き回っとんではホンマの自分らしい生き方は何やったんやいうことにならへんか。」
「そのとおりや。近いうちに、そっちのカウンセリングルームへ寄らせてもらうことになるかもしれへんんな。」

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2009年08月28日

人前で話すのって苦手なんですが…

「でも、嫌いじゃないんです。」
「おもしろい…」
「どうしてですか?」
「とても苦手(にがて)なんだけど、嫌いじゃないってところに人間の心理の不思議さが表れていると、ちょっと、そんなこと思ったの。何か気に触(さわ)った?」
「わたしって、ホントはしゃべりたい、しゃべれたらいいのにと思っている。」
「それも、うまく(上手に)ね…」
「ナントカっていうお薬を飲んだらイイって聞いたんですが…あがらないために…」
「そう、しょっちゅう、そんなことがあるってワケじゃない。それにあらかじめ分っていることが多いんじゃないかな…それでカモね。」
「そうなんですよね。」
「教室であてられて、答えられなくて辛(つら)い思いをした経験は誰にもあるけれど…」
「何年も、それが心の底に残っているのかな。そのまま忘れてしまって、どうってことないって人だって一杯いるじゃないですか。わたしみたいな…これってトラウマっていうのでしょう。お薬飲んで消えますの…」
「そんな説明をする心理の先生もいる。でも説明はイイからって人もいるし…」
「そう、そんな説明やら、解説みたいな話はいいから、どうしたらいいか教えて! ]
「今は、すぐにクリニックに飛び込むのがはやってるみたいだけど…まあ人によっては結構出してくれた薬がピッタリ合うってこともあるからね。」
「わたし自分の生まれつきのタチ(性格)が原因だと思ってしまって…」
「あなたのバアイ(場合)、難しく考えるタチなんだ…タブンね。」
「そういう性格の人って、治り難(なおりにく)いんだ…相手が精神の先生だったらうつ病のお薬を出す人もいるカモね…」
「うつ病にされちゃうの?」
「どうも最近ソンナ傾向があるみたいですよね。」
「“こころのクリニック”と“こころのお薬”が大流行(おおはや)りってワケ。」
「それで、心理療法は、さっぱりってトコ。」
「時間とお金がかかるから?」
「アメリカで精神分析を受けるのは、お金持ちやら超有名人ダッリって話、聞かない?」
「そうなんですか!」
「私の心理カウンセリングは精神分析的カウンセリングって看板あげてるから、さっぱり人気がないんだけど。」(笑)
「でも、副作用の心配はないんでしょう。」
「それが、そうも行かなくてね。」
「じゃ、だめじゃないですか。」
「よくなって下さったクライアントもいらっしゃるから、まだやってるんだけど…」(笑)
「何か頼りにならない話みたい…」
「まあね…ソンナトコ。」

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2009年08月21日

どこか調子がヘンなんですか?

「別にそうじゃないけど、ちょっと先生とお話がしたくて…」
「お電話だと、気になることがおありのようなお話でしたが…」
「お医者さんにかかったり、お薬を出されたり、ひどい場合は注射を打たれたりなんかされて…最近はホントは、そんなことしなくて良かったのにと思ったりして…本人もすっかり病気なんだと思い込んでるってことあるんじゃないですか。」
「本人って、ご自分のこと?…そういう神経症、ノイローゼの症状は、古くからありましたが…たとえば、そういうストーリーの小説が、いくつもありますよ。『ハイジ』って児童文学、あれは原因不明の病気で長年寝込んでいたお爺さんが孫娘とお話することで、こころを癒されてベッドから起き上がれるようになるというような物語でしたよね。」
「『アルプスの山の娘』ってお話でしょう。」
「そう、野上弥生子って有名な女流作家が戦前に翻訳して広く読まれたんだけど、昔、いいとこ(お家)のお嬢さんなら大概(たいがい)少女時代に読んでいる…そうか、今は、どこの家も中流の生活をしてるっていうことだから、“お嬢ちゃん” なんていうと、それこそ前世紀の遺物ってことか…先日のクライエントは、60代の母親が30代の娘と一緒にこられたんだけど、娘さんのことを何と呼ぼうかと思って、とりあえずお嬢さんと言いかけて、お名前を思い出してホッとしたってことがありましたよ。(笑)今のいい方だとアラサーか、アラフォーの娘とそのお母さんの二人連ってことになるのかしら…」
「そうですか。だから、そんな大昔のことじゃなくて…ハイジのお話は、今、うちの子がテレビアニメで観てますよ。」
「昔の話をするとね、たとえば、柴田錬三郎…お宅のお爺さんが読んだような剣豪小説を書いてた人気作家で、映画『眠狂四郎』シリーズの原作者ですよ。彼なども、少年少女向けに世界名作全集の翻訳を出していますよ。お小遣い稼ぎをしていたんですかね。」
「そうなんですか…」
「図書館なんかで、ちっちゃな女の子が、“ああ無情”とか“三銃士”とか“小公子”、“若草物語”、“赤毛のアン”なんてのに夢中になっているのを見るのってイイモンだな…図書館の大人の固い椅子に座って、床に届かない小さい足をプラプラさせて物語の世界にすっかりはまっちゃってる。可愛いですよね。」
「児童文学とか昔話のこと、河合隼雄先生がよくお話なさってましたけど…」
「ついでにいうと、ヒチコックの推理ものにも、心理劇みたいなのが結構ありましたし、キチガイあつかいされて精神病院に入れられるってお話もいろいろあったんじゃなかったかしら…そうそう、刑事コロンボにも、よく心理学者や精神科医が登場していましたよね。ここまでは、カウンセリングに入る前のイントロってことですね。
  ヨーロッパで実際にそういう精神病者に対する非人道的な処遇が当たり前だった時代が長く続いていたみたいですよ。そんな時代背景のもとに、イギリスやフランスの近代小説が生まれたのでしょうね。そんな中で、心理小説が誕生します。アガサクリスティの推理小説も、そういう流れから来ているのかな…あの有名な夏目漱石が政府の留学生としてロンドンに下宿してしてヨーロッパの近代文学の研究をしていたってことがあったけど、それが後の彼の小説の土台のひとつにもなったのでしたよね。」
「文学のお話は、またの時に聞かせて頂くってことで…」
「今日は、こころの病気の話からちょっと脇道にお誘いすることになったけど、次は最近よくいわれるようになったカウンセリングではなくてお薬で治すこころの病気の治療について、その困った問題をご一緒に考えてみましょうか。今日のお話が、そのウオーミングアップになっていたらいいのだけど…」

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